東日本大震災というかつてない悲劇に見舞われた年として、忘れられない一年となりました。映画を伝える身として何ができるか悩みましたが、最終的に感動を与えられるのは芸術や娯楽なのだと、気を引き締めて仕事と向かい合うことになりました。今の日本人の心情を思いながら映画を観ることが多くなっています。ベスト10のチョイスはそれらを特に意識したものではありません。それどころか、キワものぞろいになってしまいました(笑)。

2011年ベストムービー10位から6位

10位 『ブリューゲルの動く絵』 公開中!

9位 『127時間』

8位 『私を離さないで』

7位 『悪魔を見た』

6位 テンペスト

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2011年ベストムービー5位から1位

5位『ミケランジェロの暗号』

ナチスものでこんなに笑えた映画は初めて。タイトル&ポスターデザインからイメージされるものよりずっと軽かったので、いい意味で裏切られた一本。
『ミケランジェロの暗号』 レビューを読む

4位『サヴァイヴィング ライフ―夢は第二の人生―』

大好きなシュヴァンクマイエルの待ちに待った新作。奥方で良きパートナーだったエヴァさんが存命中の作品よりややエネルギーが落ちた感があるが、相変わらず無限の想像力をアピールしてくれた。コラージュ好きの楽しさを再認識。
サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生- レビューを読む

3位 『恋の罪』 公開中!

女性に秘められた「変化」の可能性を、残酷なまでにえぐりだした快作(怪作?)。怖すぎるのに、ぐいぐい園ワールドに引き込まれてしまう。今年は園子温ブレイク年だった。
『恋の罪』 レビュー を読む

2位 『冷たい熱帯魚』

壮絶なバイオレンスと怒涛のブラックユーモア。一瞬たりとも気が抜けないほどのエネルギー消費&カロリー注入映画ながら、何故かクセになる。今年最も「もう一度観たい映画」だったと言える。一位にすべきか相当迷いました。

1位 『ブラック・スワン』

役作りのプレッシャーという分かりやすいテーマでありながら、計り知れないその心理を見事に表現していた。生理的嫌悪をもよおす描写も、背筋が寒くなる恐怖も、完璧な美に昇華。ナタリーの息が詰まるような熱演も◎。

(池辺麻子

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